玄関の「段差」はどこにあるか
玄関の段差は、1か所とは限りません。よくあるのは、(1)上がり框(玄関の床と廊下の間の段差)、(2)屋外側のポーチや階段、(3)ドアの下の敷居——です。一段ずつは小さくても、合わせると昇り降りの回数が多く、負担になります。まず「どこで、どの動作がつらいか」を確かめると、必要な対策が見えてきます。
玄関の段差を解消する方法
① 上がり框には「式台」や手すり
上がり框の段差が大きいときは、式台(踏み台)を置いて一段を二段に分けると、昇り降りが楽になります。あわせて手すりがあると、体を支えやすくなります。
② 屋外の段差にはスロープ
車いすや歩行器を使うなら、段差をスロープ(傾斜路)にする方法があります。ただし注意したいのは、急すぎるスロープは逆に危険だということです。安全なこう配(傾き)にするには、ある程度の長さが必要になります。設置できるかは、業者や専門職に相談しながら決めてください。
③ 手すりをつける
上がり框やポーチの昇り降りに、手すりがあると安心です。立ち座り・昇降には縦の手すり、移動には横の手すりが向くなど、位置や向きは動作に合わせて決めるのが大切です。手すりの考え方は介護の手すりの位置と高さでまとめています。
④ 滑り・つまずき対策
屋外は雨でぬれて滑りやすく、玄関マットやタイルでつまずくこともあります。滑りにくい床材に変えたり、つまずくものを見直すと、出入りが安全になります。
介護保険・費用の考え方
玄関まわりでは、段差の解消・手すりの取り付け・滑りにくい床材への変更などが、介護保険の住宅改修費(上限20万円・自己負担あり)の対象になることがあります。利用には要支援・要介護の認定と、工事の前の事前申請が必要です。なお、置くだけのスロープや式台は、工事をともなわない場合「福祉用具」の制度の対象になることもあります。
費用は、手すり1本や式台から、屋外スロープの新設まで、内容で大きく変わります。何が必要かを見きわめ、複数の会社で見積もりを比べましょう。制度のくわしい使い方は介護保険の住宅改修費とはをご覧ください。
工事の前に確認したいこと
- まず本人が実際に玄関を出入りする様子を見て、どの段差・動作がつらいかを確かめる(できれば理学療法士・作業療法士・ケアマネジャーに相談)
- スロープはこう配(傾き)と長さが安全のカギ。置き場所が取れるかも確認する
- 福祉用具で始められるもの(据え置き型のスロープ・式台・手すり)は、工事をせずに試せることがある
- 工事が必要なら、あわてず介護に強い会社を複数社で比べる
業者選びのコツは失敗しない介護リフォーム業者の選び方にまとめています。
まとめ
- 玄関の段差は「上がり框・屋外・敷居」と複数あることが多い
- 解消法は①式台②スロープ③手すり④滑り対策。スロープは急すぎると危険で、こう配が大切
- 段差解消・手すり・床材の変更は介護保険の対象になることがある(工事の前の事前申請が必要)
- 据え置きスロープや式台など工事なしで試せるものもある。工事は本人の動作を見て、複数社で比べて決める
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。介護保険・補助金などの制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。