使える工事は6種類

介護保険の住宅改修で対象になる工事は、次の6つです(2026年6月確認時点)。

  1. 手すりの取り付け(廊下・階段・トイレ・浴室・玄関など)
  2. 段差の解消(部屋と廊下の段差、玄関の上がり框(あがりかまち。玄関の段差部分)など)
  3. 滑りの防止や、移動をスムーズにするための床材の変更
  4. 引き戸などへの扉の取り替え(開き戸を引き戸や折れ戸に、ドアノブの変更など)
  5. 洋式便器などへの便器の取り替え(和式から洋式など)
  6. これらに付帯して必要になる工事

ポイントは、いずれも「壁や床に固定する工事」だということです。たとえば手すりなら、壁にしっかりねじ止めして取り付けるものが対象になります。

費用の面では、上限が20万円までで、自己負担は原則1割(所得に応じて2割・3割の方もいます)という前提があります。また、工事を始める前の事前申請が必要です。先に工事をしてしまうと対象にならないことがあるので、ここはとくに気をつけたいところです。制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村や地域包括支援センター(高齢者の相談窓口)でご確認ください。

使えない・対象外になりやすいもの

一方で、次のようなものは住宅改修の対象外になりやすいです。

  • 工事をともなわない「置くだけ・突っ張り式」の手すりやスロープ
  • 新築・増築や、老朽化への対策といった一般的なリフォーム
  • 見た目をよくする、便利にする、が主な目的の工事
  • 福祉用具(介護に使う道具のレンタルや購入の制度)で代わりにできるもの

「置くだけの手すり」が対象外と聞くと、意外に感じる方もいるかもしれません。これは、住宅改修が「固定する工事」を前提にしているためです。ただし、置くだけ・突っ張り式のものは、福祉用具の制度(レンタルなど)の対象になることがあります。「介護保険では一切ダメ」という意味ではなく、「別の制度で使える可能性がある」と考えていただくとよいと思います。

迷いやすい「手すり」の話

相談の中でいちばん迷いやすいのが、この手すりです。同じ「手すり」でも、

  • 壁に固定して取り付ける → 住宅改修の対象になりうる
  • 床に置く・突っ張って立てる → 福祉用具の制度の対象になりうる

と、どちらの制度を使うかが分かれます。

どちらが向いているかは、お体の状態や、住まいの構造、賃貸か持ち家かなどによっても変わります。たとえば「壁に穴を開けられない」事情があれば、置き型が現実的な選択になることもあります。ここは自己判断で決めず、ケアマネジャーに相談していただくのが安心です。

迷ったらケアマネに確認を

ここまで早見として整理してきましたが、大切なことをひとつ。最終的に介護保険が使えるかどうかを判断するのは、ケアマネジャーや市区町村です。この記事の6種類に当てはまりそうでも、おうちの状況によっては可否が変わることがあります。

「これは使えるのかな」と迷ったら、まずは担当のケアマネジャー、いなければ地域包括支援センターに相談してみてください。申請の手続きそのものも、ケアマネや市区町村が窓口になります。

下の表に、使える・使えないの目安をまとめました。あくまで一般的な整理として参考にしてください。

工事の例介護保険の住宅改修
壁に固定する手すりの取り付け使える(対象になりうる)
段差の解消(部屋・廊下・玄関など)使える(対象になりうる)
滑り防止・移動のための床材の変更使える(対象になりうる)
開き戸から引き戸・折れ戸への取り替え使える(対象になりうる)
和式から洋式への便器の取り替え使える(対象になりうる)
上の工事に付帯して必要な工事使える(対象になりうる)
置くだけ・突っ張り式の手すり/スロープ対象外(福祉用具の制度になることがある)
新築・増築・老朽化対策の一般リフォーム対象外になりやすい
見た目・便利さの向上が主目的の工事対象外になりやすい

まとめ

介護保険の住宅改修で使える工事は、手すり・段差解消・床材の変更・扉の取り替え・便器の取り替え・付帯工事の6種類。判断のコツは「壁や床に固定する工事かどうか」です。置くだけ・突っ張り式のものは住宅改修の対象になりにくい一方、福祉用具の制度で使える可能性があります。

そして、最後の可否を決めるのはケアマネジャーや市区町村です。迷ったら一人で抱え込まず、相談しながら進めていただければと思います。制度の前提や金額は変わることがあるので、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。

制度の全体像をもう少し知りたい方は、介護保険の住宅改修費とは(最大20万円の使い方)もあわせてご覧ください。手すりの付け方そのものについては、手すりの位置と高さで詳しく整理しています。工事をお願いする業者の選び方で迷う場合は、失敗しない介護リフォーム業者の選び方も参考になるはずです。


※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。介護保険・補助金などの制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。