介護リフォームで「失敗」が起きる理由
介護に詳しくない業者だと起きること
リフォーム会社なら、どこでも介護に詳しいわけではありません。見た目をきれいに直すのは得意でも、「その方がどう立ち上がり、どう歩くか」までは分からないことがあります。
たとえば手すりは、ただ壁に付ければよいものではありません。立ち上がるための手すりと、歩くときに体を支える手すりでは、付ける高さも向きも変わります。体の動きを見ないまま付けると、「あっても使えない手すり」になりやすいのです。
1社だけで決めると、相場も対応力も分からない
最初に相談した1社だけで契約してしまうと、その金額が高いのか安いのか、その会社が介護に強いのかどうかを比べる相手がいません。リフォームは定価のない世界なので、比べないと適正価格が分からないのが正直なところです。
失敗しない業者の選び方|理学療法士が見る5つの基準
私が「この会社なら安心して紹介できる」と感じるのは、次の5つを満たす会社です。
- 体の困りごとから提案してくれる:「どこに手すりを付けますか」ではなく「どの動作がつらいですか」から聞いてくれる会社。
- 介護保険の住宅改修にくわしい:制度を使った実績があり、ケアマネジャーとのやりとりに慣れている。
- 本人と家の状態を見てから提案する:採寸もせずに金額だけ出す会社は避けたほうが安心です。
- その場で契約を迫らない:「今日決めれば割引」と即決を急がせる会社は要注意。
- 複数社で見積もりを比べることを嫌がらない:自信のある会社ほど、相見積もりを歓迎します。
なぜ「相見積もり」が欠かせないのか
相見積もりとは、複数のリフォーム会社から見積もりを取って比べることです。これをすると、(1)適正な費用が分かる、(2)介護への対応力を比べられる、(3)担当者との相性も分かる、という3つのメリットがあります。
とはいえ、1社ずつ電話して回るのは、退院準備で忙しいご家族には大きな負担です。そこで便利なのが、希望条件を一度入力するだけで、複数の会社からまとめて見積もりを取り寄せられる無料サービスです。
私が見た中では、対応リフォームに「介護・バリアフリー」を明記しているタウンライフリフォームが使いやすいと思います。依頼する会社は自分で選べるので、希望しない会社からの営業がないのも、忙しいご家族向きです。申し込み時の希望欄に「介護目的」「介護保険を使いたい」と書いておくと、介護に強い会社に絞り込みやすくなります。
業者に伝えると失敗しないこと(チェックリスト)
見積もりや打ち合わせのときは、次のことを伝えると、提案がぐっと的確になります。
- 本人の体の状態(立ち座り・歩行・浴室のまたぎなど、何がつらいか)
- 退院の時期(いつまでに使えるようにしたいか)
- 介護保険や補助金を使いたいかどうか
- 今困っている場所の優先順位(まずはトイレから、など)
介護保険を使うなら「工事の前」に動く
介護保険の住宅改修費(上限20万円・自己負担あり)を使う予定なら、順番がとても大切です。工事を始める前に、ケアマネジャーに相談して事前申請をしておかないと、補助の対象外になることがあります。
制度のくわしい使い方は、介護保険の住宅改修費とは|最大20万円の使い方と申請の流れとケアマネの役割でまとめています。あわせて読んでみてください。
まとめ
- 介護リフォームの失敗は「介護に詳しくない業者」と「1社だけで決めること」から起きやすい
- 業者選びは、体の困りごとから提案してくれるか・介護保険にくわしいか・相見積もりを嫌がらないかで見る
- 相見積もりは無料の一括見積もりサービスを使うと、忙しくても手間をかけずに比べられる
- 介護保険を使うなら、必ず「工事の前」にケアマネへ相談する
リフォームは大きな買い物です。あわてて1社で決めず、まずは複数社を比べるところから始めてみてください。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。介護保険・補助金などの制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。