申請の全体の流れ

まずは大きな流れを見てみましょう。下のような順番で進みます(2026年6月確認時点)。

  1. 要支援・要介護の認定を受ける(まだの場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センター〔高齢者の相談窓口〕で申請します)
  2. ケアマネジャー〔介護の相談・調整役。ケアマネと呼びます〕や地域包括支援センターに相談する
  3. ケアマネジャー等が「住宅改修が必要な理由書」を作成する
  4. リフォーム会社に見積もりを依頼する(複数の会社で比べる「相見積もり」がおすすめです)
  5. 工事の「前」に、市区町村へ事前申請をする(申請書・理由書・見積書・改修前の写真・平面図などが必要です。書類は自治体によって異なります)
  6. 市区町村が内容を確認し、承認する
  7. 工事を始める
  8. 工事が終わったら、領収書・改修後の写真などを提出する
  9. あとから費用が払い戻される

費用は上限20万円までが対象で、自己負担は原則1割です(所得により2割・3割になる場合があります)。住宅改修費の基本的な考え方や20万円の使い方は、介護保険の住宅改修費とは(最大20万円の使い方)でもまとめています。

ケアマネジャーの役割

この流れの中で、ケアマネジャーはとても大きな役割を担います。なかでも要となるのが、3番目の「住宅改修が必要な理由書」です。これは、なぜこの場所に手すりが要るのか、どんな動作のために何を直すのかを、専門職の視点でまとめる書類です。申請には欠かせません。

理由書は、ご本人や家族だけで用意するものではなく、ケアマネジャーや地域包括支援センターの専門職が作成します。ですから、住宅改修を考え始めたら、まずは担当のケアマネジャーに相談するのが近道です。担当がいない場合は、地域包括支援センターが入口になります。

なお、私たち理学療法士は体の動きや住まいの工夫について助言することはできますが、介護保険の「申請」を代わりに行う立場ではありません。手続きそのものは、ケアマネジャー・地域包括支援センター・市区町村が窓口になります。

工事の前に申請する理由

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい点です。住宅改修費は、工事の「前」に事前申請をして、市区町村の承認を受けてから着工するのが原則です。

よくある残念な例として、「家族が良かれと思って先に手すりを付けてしまい、あとから申請しようとしたら対象にならなかった」というケースがあります。工事を先に始めてしまうと、原則として支給を受けられないことがあるのです。せっかくの制度を使えなくなるのは、もったいないことです。

急いで付けたい気持ちはよく分かりますが、まずはケアマネジャーへの相談と事前申請を先に。順番さえ守れば、慌てずに進められます。

必要な書類とお金の戻り方

事前申請のときには、申請書・理由書・見積書・改修前の写真・平面図などが必要になります。ただし、求められる書類は自治体によって異なりますので、必ずお住まいの市区町村でご確認ください。

お金の戻り方にも特徴があります。原則は「償還払い〔しょうかんばらい〕」といって、いったん工事費の全額をご自身で支払い、あとから自己負担分を除いた金額が払い戻される仕組みです。自治体によっては、自己負担分だけを先に払えばよい「受領委任払い〔じゅりょういにんばらい〕」が使える場合もあります。どちらになるかは地域で違いますので、この点も市区町村に尋ねてみてください。

見積もりを依頼する会社選びに迷ったら、失敗しない介護リフォーム業者の選び方もあわせてご覧ください。

まとめ

  • いちばん大事なのは順番です。工事の「前」に事前申請をして、承認を受けてから着工します。
  • 進め方は、まず認定を受け、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、理由書を作ってもらうところから始まります。
  • 上限20万円・自己負担は原則1割(所得により2割・3割)。原則は償還払いで、あとから払い戻されます。
  • 必要書類や払い戻しの方法は自治体で異なります。制度や金額は変わることもあるため(2026年6月確認時点)、最新はお住まいの市区町村・地域包括支援センターでご確認ください。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。お一人おひとりの体の状態や介護・医療的な判断は、主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センター等にご相談ください。介護保険・補助金などの制度や金額は変わることがあるため、最新はお住まいの市区町村でご確認ください。